APAジャパン No.2 2004.02.27発行  特集「第4回世界社会フォーラム」2004年1月16日〜21日 インド・ムンバイ

軍事力・暴力のない世界を築くことは可能(か?)だ!

高里鈴代(基地・軍隊を許さない行動する女たちの会)

 広大な工場跡地にジュート布を敷きつめた数万人規模の野外集会場、木材で組み立てジュード布を貼り付けた大小無数の会場、それらをつなぐ道路に溢れた10万人の人々。インド各地から数日かけて参加した人びとは、社会の貧困、抑圧と闘う人びとであり、また、世界中から反グローバル化、軍事化、家父長制、暴力など、政治、経済、社会的不正義と不平等に取り組む世界の民衆、組織が「もう一つ世界は可能だ」を合い言葉に集まった第4回WSF。すさまじい土埃も栄養剤だと吸い込みながら、閉塞状態にある沖縄の状況をかえるのは、世界を民衆が作りかえようとする運動に連動することだ、と確認できた。

 国際反米軍基地会議は、コーディネータのハーバード・ドセナさんが、米軍基地反対に取り組む運動体、活動家たちをつなぐメーリングリスト(nousbases)を事前に立ち上げたことが、ムンバイでの集会に34カ国120名余の参加につながったと思う。米軍基地を世界地図に印して見ると、いかに地球規模で分布されているかが明白で、南米での麻薬撲滅対策、水問題など、ソフト政策にいたるまで米国軍事力の介入は多様だ。強制移住させられたディエゴ・ガルシアの人びとが、今年こそ島に戻りたいと闘っている一方で、旧ソ連のキルギスタンに、国民の合意もなく簡単に米軍駐留が決まった、など。そして米国は、今、新たな脅威に対応するための総合的な再編成計画に着手する。今後の連携のあり方に、「もう一つの世界へ」の展望がかかっている。3月20日を国際反戦で国際反戦デモへの積極的な参加がまず確認された。

 APAの企画した「9・11以降の米軍基地と女性への脅威」ワークショップは、司会のニガットさん(パキスタン)の関係するグループによるパキスタンの歌と踊りで始まり、また、フィリピン・ミンダナオ女性によるパフォーマンスで閉じたが、軍事化と女性への脅威について、真の安全保障とは何かを米国、韓国、沖縄、パキスタン、カシミールの現状が報告された。パネリスト間で今後のネットワーク、共同行動が話し合われたのをどう日本側からも取り組めるか、課題であり期待でもある。

 5日間大小様々なワークショップに参加したが、PP研でも1998年に招いたドイツのマリア・ミースさんに偶然出会い、彼女たちの「女性と公共権の保障」ワークショップに飛び込んだ。13カ国から18人の有機農業、助産婦、エコフェミニスト、平和運動、研究者など生活・問題の多彩な女性との意見交換からは、基地跡地利用にもつながる、豊かな社会を作る視点を得た。インドの女性村長は、きれいな水は本来村民の権利だが、彼女の村にも世銀の融資を受けP.P.P.(Public Private Partnership)の水の企業化(民営化)が迫っていると訴えていた。グローバリゼイションと軍事化が公共権を侵食し、水、土地、すべてが商品化されている現状から、どう公共権を取り戻していくか。どう共有・主権・自治を確保していくか、まさに今の日本の状況であり、自分が生きている地域社会をどう築くかに直結する課題であった。 

 

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