日米地位協定の改正を求めることについて

                    2004年2月議会 質問と答弁 〜個人質問〜



■■■日米地位協定改定に向けて
     那覇市独自の姿勢を明らかにしていくべきではないか。

私は、2月初旬に県下の他の8人の議員たちとともに、東門衆議院議員を団長とし
て、海外基地見直しに関する議員要請団の一員としてワシントンにまいりました。

 去年の11月に米議会では、2004年米国軍事費歳出法の128節によって、新しい
脅威に対して安全保障環境を最善に対処するために、最も適切に軍事能力の配置
をするための海外米軍施設再編成委員会(再編委員会)の設置が決められたという
ことを受けまして、それでは沖縄の基地の撤去あるいは削減に向けて、その委員会
での検討の項目にしっかりと入れてもらいたい、そういう要請を持ってまいりました。

 国務省、国防省の日本担当部長や、六つのシンクタンクの方々や、また、4人の 下院議員の方々にもお会いをい
たしました。特に、国務省の日本部長にお会いしましたときに、地位協定の問題に触れましたとき、彼が地位協定
を「Living document」、生きた文書、生きた法律だという意味で、その言葉を使いました。「地位協定はよくできてい
る、成立から今日までよく活かされている。国の憲法と同様、基本的なもので改定は難しい。運用の細かい改善等
については、日米合同委員会が定期的に開かれているので、細かい課題を話し合うその委員会を通して今後も取り
組んでいく」というお話でありました。

 この発言は、私たち沖縄の者にとりましてはショックを受けるような発言ですが、これまでも日本政府の対応から
はうなずける発言と言えます。  政府は、日米安全保障条約を国是として堅持するためにも、その第6条に基づいて
制定されております日米地位協定については、いかに沖縄の総意としてその見直しを求めていても、あくまでもそれ
は運用面の改善で十分という姿勢を崩しておりません。

 2002年12月には、衆議院議会で、日本政府がそれまで米国政府に対して一度も地位協定の改正を求めること、
それをテーブルに乗せていなかったということも明らかになりましたし、今、大きな問題になっておりますのが、日本
政府が1973年に、既に「日米地位協定の考え方」という地位協定の法的解釈書をまとめて、それを外務省はバイブ
ルのように今日までそれをもとにして、特に沖縄に対しての説明の根拠としていたということであります。
 今、それが開示を求めていても、最初はその存在を否定し、そして存在を認めた中でも、その開示を未だ拒否して
いるのが日本政府の対応です。

翁長市長は、「市民・県民の命、生活、人権を守るためには日米地位協定の見直しは避けて通れない課題だ」と表
明しておりますし、また、懸垂幕を垂れることによって、市民に対してもその認識を呼びかけております。

 また、去年の10月には、那覇市で開催されました九州市長会へも、日米地位協定の見直しの早期実現を図ること
の議案として本市から提案するなど積極的に取り組んできていることは、議会を通しても承知しております。

 それで市長、今、私がアメリカの姿勢を申し上げましたし、日本の姿勢は私たち十分に承知をしているわけですか
ら、これを県の取り組み、県の要請だけではなくて、むしろそれぞれの市町村自治体の、それぞれの意思の表明も
この際必要ではないかと思います。

 それで、改めてここでお尋ねしたいのは、この見直しについて、県や関係団体とどのように関係を持っていらっしゃ
いますか伺いますし、改めて那覇市から、この地位協定改定に向けての独自の姿勢を、那覇市に関連する項目を
抽出した中でも、市の姿勢を明らかにしていくべきではないかと思います。その点についての市長の答弁をお願い
をいたします。



■■■沖縄県は、平成12年に日米両政府に対し、
     那覇市を含む関係市町村の総意を盛り込んだものとなっている
     日米地位協定の見直しに関する要請を行っている

(松本親 総務部長)
 高里鈴代議員をはじめとして基地所在の8人の議員の方々が、米国海外基地見直しに対する議員要請団を結成
し、去る1月31日から2月5日までの日程で、米国関係者へ在沖海兵隊の撤退や日米地位協定の見直しを訴えら
れてこられたことに対し、敬意を表したいと思います。

 日米地位協定の改正につきましてはご承知のとおり、沖縄県をはじめ本市を含む県内すべての市町村議会にお
いて、日米地位協定の早期見直し等の決議をしており、さらに全国知事会や全国都道府県議会議長会においても
決議されております。  また、各政党、日本弁護士連合会、労働団体などの見直しを求める動き、日本商工会議所
からは運用改善の要請などがあり、その中で特に沖縄弁護士会や連合では独自の改正案を作成して取り組むなど
全国的なこの盛り上がりをとらえ、今後の取り組みを前進させるためにも、各界各層との連携を図っていくことは重
要であると考えております。

 条文改正につきましては、ご承知のとおり、沖縄県は、平成12年に日米両政府に対し、那覇市を含む関係市町村
の総意を盛り込んだものとなっている、日米地位協定の見直しに関する要請を行っております。この中では、11項目
にわたり見直しの要請をしており、その主な内容といたしまして、施設・区域の環境保全等について、現行では条項
自体がないことに対し新たな条項を設け、合衆国は合衆国軍隊の活動に伴って発生するばい煙、汚水、赤土、廃棄
物等の処理その他の公害を防止し、または自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有し、環
境保全に関する日本国内法を適用することを求めております。

 次に、施設の返還につきましては、現行では、「合衆国はこの協定の終了の際またはその前に日本国 に施設及
び区域を返還するにあたって、当該施設及び区域をそれらが合衆国軍隊に提供されたときの状態に回復し、また
その回復のかわりに日本国に補償する義務を負わない」 となっているのを、事前に日米両政府は、合衆国軍隊の
活動に起因して発生した環境汚染、環境破壊及び不発弾等の処理について共同で調査し、環境汚染等が確認さ
れたときは、「環境浄化等の現状回復計画の策定及びその実施等の必要な措置をとり、そのための費用負担につ
いては、日米両政府で協議する旨を明記すること」となっております。

  裁判権については、現行では、合衆国軍隊の構成員または軍属である被疑者の起訴前の身柄引き渡しができ
ませんが、これを日本国の当局から、起訴前でも身柄引き渡しの要請があれば、合衆国はこれに応ずる旨を明記
したこと等、不平等、不合理性を是正するものとなっており、市民・県民一丸となって、それらの見直しの実現に向け
て訴えていきたいと考えております。

 本市では、那覇軍港を抱えており、その移設も決まっておりますが、返還にあたりましては、市民の生命・安全を
守る立場から、環境保全、原状回復は重要な問題であり、機会をとらえて、返還前の立ち入り調査等の必要な措置
が講じられるよう、日本政府や米軍など関係当局へ要請したいと考えております。



■■■地位協定について、市独自のものもまとめて、主体的な取り組みが今必要ではないか。  

(高里鈴代)
 市長、これまで随分と積極的に発言をし、また要請などもなさっていらっしゃると思います。でも、ここでやはり厚い
壁、 新聞にもずっと出ておりましたが、この地位協定の考え方132ページにわたるものが、約30年近く前にできてい
た。これに基づいてずっと対応しているわけですから、これを改正するということは本当に大変なことなわけですが、
今、県が出していることをただバックアップするということではなくて、那覇市にとって前回も金城徹議員からも質疑
がありましたが、特に、環境問題の観点からも大きな課題を那覇市は抱えていると思います。
 
 ですから、那覇市はどういう領域で、この地位協定のどの部分について抵触する部分がある、改善が必要である
というものを市独自のものもまとめて、やはりこれをしっかりと要請をしていく、あるいは市民に公開をしていく、そう
いうことが必要ではないかと思います。懸垂幕も出しておりますが、例えば市民が関心を持って地位協定のいった
い那覇市とどんな関係があるんですかと来た場合に、きちっと対応するか、あるいは資料がきちっとある、市長はこ
のように調査をしている、まとめているというものが、しっかりと出せるような、そういう主体的な取り組みというもの
が、今必要ではないかと思いますが、それについての市長のお考えを伺います。



■■■今日の提案を受けて、積極的に考えていきたい

(翁長雄志 市長)
 私は日米地位協定の改定というのは、おそらく戦後沖縄の政界・経済界、あるいは労働団体、あるいは県民・市
民こんなにも多くの方々が心を一つにして、大変ハードな政策というものについて意見の統一を見たというのは本当
に画期的なものではないかなと思います。

 基地の整理・縮小にいたしましても、その方法論とか、いろんな問題で、なかなかまとめることが不可能な中で、
この日米地位協定の改定というものは、いわゆる保革を問わず、全ての方々がご理解をいただいて、これから県
民が一丸となってやっていかなければならない大変重要なものだというふうに思っております。その30年前に、地
位協定の内容等についての解釈等が新聞で2、3週間ほど前に出ておりましたけれども、私が日頃から、日本政府
には防衛の哲学がないというような話をさせてもらっているのは、安易にやはりこういう形で、沖縄に依存して、日本
の防衛を主体的に考えることなくやってきているものについて、それぞれの時々において、その場で話をしてきたつ
もりであります。

 この日米地位協定の改定のものについては、沖縄県の稲嶺知事が一番積極的に、立場も立場でありますから、
一番目立つわけでありますけれども、一番積極的にやっているわけでありますが、これを何とかいい形で実効性の
あるものにするというためには、やはり緊密に連絡を取る必要があるだろうなと思っております。私も前の答弁で、い
わゆるタイミングが大変重要だという話をしましたが、タイミングを誤ると沖縄県民の意識がまだそれだけなのかとい
うような形であってもいけませんし、そのへんのところは十分連携をしていかないとならないなと思っておりますが、
今日、高里議員からのご指摘の中で、那覇市に限ってのもの、いわゆる県全体でやってくものも当然大切ですけれ
ども、那覇市に限って、那覇市でできるものということは、一つの示唆かなという感じがします。

 同じことを県とは別に那覇市がやった場合には、全体の動きにご迷惑をかけたりすることがないのかななどと少し
調整する必要があるなと思いましたが、今那覇市独自のものということになりましたら、どういうことになるのか、今
日のご提言を受けて一つ勉強させていただいて、思いは一 つでありますので、積極的に考えさせていただきたいと
思います。



■■■それぞれの自治体の状況にあった姿勢を打ち出す必要があるのではないか

(高里鈴代)
 ぜひ取り組んでいただきたいし、また議会の中にも、このことについての特別委員会などの設置も必要かなと思い
ますが、それぞれの自治体、基地を抱えている22市町村があると言われてますが、それぞれの状況にあって、や
はりきちっとした姿勢というものを出していく必要があるのではないかと思っています。

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